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飼ってはいけない犬ランキング10選!初心者が後悔しやすい犬種の特徴

「かわいい見た目に一目惚れして迎えたのに、こんなに大変だとは思わなかった……」

犬を飼い始めてから後悔する人は、残念ながら少なくありません。環境省の調査によると、犬の飼育放棄の原因のうち約2割は、吠え続ける・家具を壊すといった問題行動にあるとも言われています。

この記事では、初心者が後悔しやすい「飼ってはいけない犬ランキングTOP10」を解説します。「飼ってはいけない」とは決して犬種を悪く言うのではなく、「今のあなたの生活スタイルには合っていないかもしれない」という意味です。事前に犬種の特性を知っておくことで、お互いに幸せな生活を送れます。犬を迎える前にぜひ最後まで読んでみてください。

📋 この記事でわかること
・初心者に飼育が難しい犬種TOP10と、その具体的な理由
・日本の自治体で飼育条件が定められている「特定犬種」の詳細
・ライフスタイル別(マンション・一人暮らし・共働きなど)に向かない犬種
・初心者でも飼いやすいおすすめ犬種と、犬を迎える前のチェックポイント

目次

結論:犬種そのものが悪いのではなく、飼い主との相性が重要

「飼ってはいけない」は「初心者には難しい」という意味

インターネットで「飼ってはいけない犬」と検索すると、さまざまな犬種の名前が出てきます。でも、少し考えてみてください。シベリアンハスキーやボーダーコリーは世界中で愛されており、上手に飼っている人もたくさんいます。

「飼ってはいけない」という表現は、正確には「飼育経験の少ない初心者や、特定のライフスタイルの人には難しい犬種」という意味です。法律上、日本では特定の危険な野生動物(ジャッカルやチーターなど)の飼育は禁止されていますが、一般的な犬種を飼うこと自体は禁止されていません(一部の自治体条例による制限はあります)。

どんな犬種であっても、その子の本来の気質や歴史的背景を深く理解し、必要な運動・適切なしつけ・たっぷりの愛情を注げれば、かけがえのないパートナーになってくれます。

ライフスタイルとのミスマッチが後悔の原因

後悔の原因の多くは「見た目の可愛さ」や「映画・CMに出ていた犬種」というイメージだけで選んでしまうことにあります。たとえばゴールデンレトリバーは「おとなしくて優しい」というイメージがありますが、実際には毎日1時間以上の運動が必要な大型犬です。犬の本来の気質・歴史的な使役目的・運動量・しつけ難易度などを事前に把握しておくことが、後悔しない犬選びの第一歩です。

事前に特徴を知れば避けられる

この記事を最後まで読むことで、あなたの生活スタイルに合った犬種かどうかを事前に判断できるようになります。「知らなかった」という理由で大切な命を手放すことがないよう、しっかりと情報を集めてから迎える準備をしましょう。

飼ってはいけないと言われる犬の特徴

まず「飼うのが難しい犬」に共通する特徴を整理しておきましょう。以下の項目が多く当てはまるほど、初心者には難易度が高い犬種といえます。

しつけが難しい

犬種によって知能の高さ・独立心の強さ・プライドの高さ・頑固さには大きな差があります。知能が高すぎる犬は、飼い主の一貫性のない指示を見抜いてなめてかかることがあり、逆に言うことを聞かなくなる場合も。テリア種のように独立心が強い犬は、そもそも「人の言うことに従う」という概念が薄く、しつけそのものに根気と専門知識が必要です。

しつけが不十分なまま育った犬は、吠え癖・噛み癖・問題行動につながりやすく、最悪の場合は飼育放棄にもつながります。子犬の頃からの一貫したしつけが不可欠です。

運動量がとても多い

牧羊犬・猟犬・そり犬など、もともと労働用として品種改良された犬種は、毎日1〜2時間以上の運動が必要なケースが多くあります。運動不足になるとストレスが溜まり、破壊行動・問題行動・無駄吠えの原因になります。「小型犬だから運動量は少ない」と思いがちですが、ジャックラッセルテリアのように体は小さくても大型犬並みの運動量が必要な犬種もいるため要注意です。

吠え声が大きい

犬が吠えること自体は自然な本能ですが、吠えやすい犬種・声が大きい犬種は、特にマンションや住宅密集地では近隣トラブルの原因になりえます。ビーグルのような猟犬系は「ハウリング」と呼ばれる遠吠えをすることもあり、一度始まると長時間続くことも。吠え声のコントロールはしつけである程度可能ですが、もともとの吠えやすさは犬種の本能に根ざしているため、完全になくすことはできません。

体が大きく力が強い

大型犬は体重20〜70kgにもなることがあり、しつけが不十分だと散歩中に引っ張られて転倒するリスクがあります。特に女性や高齢者、子どもがいる家庭では、扱いきれなくなるケースも珍しくありません。また、食費・医療費・トリミング代など、日々のコストも小型犬に比べて大きくなります。

医療費が高くなりやすい

特定の犬種は遺伝疾患や体構造上の問題を抱えやすいため、シニア期に入ると医療費が急増することがあります。キャバリアは心臓病、ゴールデンレトリバーは股関節形成不全が多いことで知られています。ペット保険への加入を前提に計算しても、月数万円の治療費が続くケースもあるため、経済的な準備が欠かせません。

警戒心が強く懐きにくい

秋田犬・柴犬など日本犬や、番犬・軍用犬として育種されてきた犬種は、飼い主以外の人間や動物に対して強い警戒心を持つ傾向があります。子犬期に十分な社会化トレーニングをしないと、来客への攻撃・他の犬とのトラブルなどに発展しやすくなります。愛情深く忠実な反面、「誰にでも懐く」タイプではないため、初心者にはハードルが高い面があります。

飼ってはいけない犬ランキングTOP10

ここからは、運動量・しつけ難易度・飼育コスト・吠えやすさを基準に、初心者が特に後悔しやすい犬種TOP10を解説します。

1位:シベリアンハスキー

その美しい青い目と늑대のような外見から根強い人気を誇るシベリアンハスキー。しかし、初心者が飼って最も後悔しやすい犬種のナンバーワンとも言われる犬種です。

原産国シベリア(ロシア)
体重16〜27kg(中型〜大型)
運動量★★★★★(1日2時間以上必要)
しつけ難易度★★★★☆
吠えやすさ★★★★☆(遠吠えが多い)
抜け毛★★★★★(換毛期は大量)

シベリアンハスキーはもともと、極寒のシベリアで重いそりを引くために作られた犬種です。その血統から、近所を一周する程度の散歩では運動欲求がまったく満たされません。1日2時間以上の激しい運動が必要で、運動不足になると遠吠え・破壊行動・脱走が頻発します。

性格は自立心が強く、飼い主への従順さはゴールデンレトリバーなどに比べると低め。リーダーシップをしっかり確立できないと、言うことをまったく聞かなくなることもあります。換毛期(春・秋)には「雪が降ったようだ」と例えられるほどの大量の抜け毛が発生し、毎日のブラッシングと掃除が欠かせません。日本の夏の暑さにも弱いため、エアコン管理も必須です。

シベリアンハスキーに向いている人:毎日2時間以上外で運動できる体力がある人、広い庭や自然環境がある人、抜け毛の掃除を苦にしない人

2位:秋田犬

「忠犬ハチ公」で世界的にも知られる秋田犬。その堂々とした風格と飼い主への深い忠誠心は魅力ですが、日本の特定犬種にも指定されている(茨城県・佐賀県など)大型犬であり、飼育には相当の覚悟が必要です。

原産国日本(秋田県)
体重32〜45kg(大型犬)
運動量★★★★☆(1日1時間以上)
しつけ難易度★★★★★
警戒心★★★★★
特定犬指定茨城県・水戸市・佐賀県・札幌市

秋田犬は飼い主への忠誠心が非常に強い一方で、見知らぬ人や他の犬に対して強い警戒心・攻撃性を示すことがあります。もともと番犬・猟犬・闘犬として使われてきた歴史があり、その本能は今も色濃く残っています。

体重が最大45kgにもなるため、引き綱(一般的なリードではなく「綱」)をしっかりつかんで1時間以上の運動が毎日必要です。性格が頑固で自分の判断で動く傾向があり、しつけには根気と経験が求められます。初心者が「かっこいいから」という理由だけで飼い始めると、後悔につながるケースが非常に多い犬種です。

秋田犬を向いていない人:犬の飼育経験がない人、マンション住まいの人、力に自信がない女性や高齢者だけの家庭

3位:ボーダーコリー

世界で最も知能が高い犬種のひとつとして知られるボーダーコリー。アジリティ競技やフリスビーで活躍する姿は見ていて惚れ惚れしますが、その賢さゆえに刺激が足りないと問題行動を起こしやすいことで有名です。

原産国イギリス・スコットランド
体重14〜20kg(中型犬)
運動量★★★★★(1日60〜90分以上+知的刺激が必須)
しつけ難易度★★★★☆(賢すぎて逆に難しい)
エネルギー量★★★★★

ボーダーコリーはもともと羊を何十頭も管理する牧羊犬として活躍してきた犬種です。そのため「仕事をしていないと満足できない」という本能が非常に強く、運動だけでなく「頭を使う遊び・トレーニング」が毎日必要です。

知的刺激が不足すると、家中の家具を破壊する・自分の尻尾を追いかけ続ける・強迫的な動きを繰り返すなどの問題行動が現れることがあります。「世界一賢い犬」と呼ばれながら、その賢さが飼い主を悩ませることも。のんびりと家の中で一緒に暮らしたいという人には、まったく向いていない犬種です。

ボーダーコリーはアジリティや競技訓練に本気で取り組める環境と時間がある人、または農場・牧場で本来の仕事をさせられる環境の人に向いています。

4位:ジャックラッセルテリア

小さな体にあふれるほどのエネルギーを詰め込んだジャックラッセルテリア。テレビや映画によく登場するため親しみやすいイメージがありますが、小型犬とは思えないほどの運動量と頑固な性格から、初心者には上位クラスの難易度を誇ります。

原産国イギリス・オーストラリア
体重6〜8kg(小型犬)
運動量★★★★★(小型犬なのに大型犬並みが必要)
しつけ難易度★★★★★
いたずら度★★★★★

ジャックラッセルテリアはキツネ猟のために作られた犬種で、その「獲物を追い詰める」本能は今も健在です。体は小さくても、1回1時間ほどの散歩を毎日行い、週に数回はドッグランで全力疾走させる必要があります。「小型犬だから運動は少しでいい」という思い込みが一番の落とし穴です。

テリア種特有の頑固さと独立心が強く、しつけの入りにくさは随一。いたずらも非常に多く、気が短い面もあります。プロのドッグトレーナーに子犬期からしつけを依頼することを検討すべき犬種の筆頭格です。

5位:ビーグル

スヌーピーのモデルとして有名なビーグル。フレンドリーで人懐こい性格から子どもがいる家庭にも人気ですが、「吠え声の大きさ」と「嗅覚の鋭さによる暴走」が初心者を悩ませることが多い犬種です。

原産国イギリス
体重9〜11kg(中型小型犬)
運動量★★★★☆
吠えやすさ★★★★★(ハウリングあり)
散歩難易度★★★★★(嗅覚が鋭く引っ張りが強い)

ビーグルはもともと猟犬として、鼻で獲物の匂いを追いかけることに特化して作られました。散歩中に興味深い匂いを嗅ぎつけると、飼い主の制止を振り切って猛ダッシュで走り出すことも。ロングリードやハーネスでのしっかりとした管理が必須です。

また、ストレスが溜まると「ハウリング」と呼ばれる遠吠えのような大きな声で吠え続けます。マンションや住宅密集地では近隣トラブルになりかねません。フレンドリーな性格自体は魅力的で、十分な運動と環境が整えば素晴らしい家族の一員になってくれます。

6位:ゴールデンレトリバー

「家族向けの犬の代表」というイメージが強いゴールデンレトリバーですが、そのフレンドリーな性格の裏に隠れた大変さを知らずに迎えて後悔する人も多い犬種です。

原産国イギリス(スコットランド)
体重25〜34kg(大型犬)
運動量★★★★★(1日1〜2時間の散歩+知育が必要)
しつけ難易度★★★☆☆(賢いが甘やかすと言うことを聞かなくなる)
月間コスト目安フード代3〜5万円+医療費

ゴールデンレトリバーは確かに温厚で従順な犬種ですが、体重30kg前後の大型犬であることを忘れてはなりません。子犬期はとくにパワフルで、しつけが不十分だと散歩中に引っ張り倒されることも。また、換毛期には大量の抜け毛が出て、毎日の掃除と定期的なトリミングが欠かせません。

さらにゴールデンレトリバーは股関節形成不全・がん・皮膚炎などの遺伝的疾患が比較的多い犬種として知られています。シニア期に入ると医療費が月数万円になるケースも珍しくなく、長期的な経済的負担を覚悟しておく必要があります。

ゴールデンレトリバーの平均寿命は10〜12年。シニア期の医療費も含めた生涯コストを事前に試算しておくことが大切です。

7位:ラブラドールレトリバー

盲導犬・介助犬のイメージが強く「おとなしい犬」と思われがちなラブラドールレトリバーですが、若犬期(1〜3歳)のパワーと破壊力は相当なものです。初心者が「穏やかそう」というイメージだけで飼い始めると、その活発さに圧倒されるケースが多い犬種です。

原産国カナダ(ニューファンドランド)
体重25〜36kg(大型犬)
運動量★★★★★
しつけ難易度★★★☆☆(素直だが力が強い)
食欲★★★★★(肥満になりやすい)

ラブラドールレトリバーは非常に食欲旺盛で、与えればいくらでも食べてしまいます。そのため肥満になりやすく、食事管理が飼い主の大きな役割のひとつになります。また、大型犬であるため抜け毛の量は膨大で、換毛期には特に大量の毛が抜けます。掃除機を毎日かけても追いつかないと感じる人もいるほどです。

盲導犬として活躍している個体は高度な訓練を受けた特別な存在。一般家庭で迎えるラブラドールは、その活発さとパワーにしっかり向き合える環境が必要です。毎日しっかり運動させ、一貫したしつけを続ければ、家族みんなに愛される最高のパートナーになれる犬種です。

8位:ミニチュアピンシャー

コンパクトな体に堂々とした風格を持つミニチュアピンシャー。「ミニチュア」という名前から想像するよりも、その気の強さと自己主張の激しさは小型犬の中でもトップクラスです。

原産国ドイツ
体重4〜5kg(小型犬)
運動量★★★★☆
しつけ難易度★★★★★(小型犬の中で最難関クラス)
プライドの高さ★★★★★

ミニチュアピンシャーは非常にプライドが高く、飼い主が自分より立場が上だと認識させられなければ、自分が「リーダー」だと思い込んで言うことを聞かなくなります。甘やかすとわがままが加速し、吠え癖・噛み癖・問題行動につながることも。

小型犬ながら運動量も多く、退屈するとストレスから問題行動を起こしやすくなります。活発で好奇心旺盛な性格は魅力ですが、飼い主が毅然としたリーダーシップを常に保ち続けられる人でないと、日々の生活が非常に大変になります。小型犬の飼育経験が豊富な人向けの犬種です。

9位:柴犬

日本を代表する犬種として国内外で大人気の柴犬。「柴犬カフェ」「柴犬のインスタ」などで愛らしい姿が広まっていますが、実は「日本犬の中で最も気難しい」と言われるほど扱いが難しい一面があります。

原産国日本
体重7〜11kg(小型犬〜中型犬)
運動量★★★★☆
しつけ難易度★★★★☆(独立心が強い)
懐きやすさ★★☆☆☆(飼い主以外には基本よそよそしい)

柴犬は飼い主への忠誠心は強いものの、他の人や犬には非常によそよそしく、触られることを嫌がる個体も多いです。「誰にでも懐く犬」を想像して迎えると大きなギャップを感じる可能性があります。

また独立心が強く、自分の意思で行動しようとするため、しつけには根気が必要です。実際に柴犬を飼っている人からは「家族の自分にもなかなかなつかない」「気難しくて扱いが難しい」という声も聞かれます。その半面、しっかりと信頼関係を築けたときの絆の深さは格別。日本犬の魅力を存分に感じられる犬種でもあります。

柴犬は「猫のような性格の犬」とも表現されます。過度なスキンシップを嫌う子も多いため、ベタベタとなでたい人よりも、適度な距離感で接するのが好きな人に向いています。

10位:ポメラニアン

ふわふわの被毛と愛らしいルックスで人気のポメラニアン。小型犬で飼いやすそうに見えますが、その気の強さと吠えやすさ、そして豊富な被毛のお手入れが初心者には想定外の大変さをもたらすことがあります。

原産国ドイツ・ポーランド
体重1.8〜3.5kg(超小型犬)
運動量★★★☆☆
吠えやすさ★★★★☆
トリミング必要度★★★★★(定期的なカットが必須)

ポメラニアンは非常に活発で好奇心旺盛な半面、警戒心が強く些細なことでよく吠えます。マンション暮らしでは吠え声が近隣トラブルになりやすいため、しつけのスタートは早ければ早いほど良いです。

また、ふわふわの被毛は毎日のブラッシングと月1〜2回のトリミングが必要で、放置すると毛玉や皮膚炎の原因になります。トリミング代は月5,000〜1万円程度かかるため、ランニングコストも見落とせないポイントです。

日本で飼育が制限されている特定犬種

ここまでは「初心者に難しい犬種」を紹介してきましたが、日本には自治体の条例によって飼育に特別な条件が課される「特定犬」制度が存在します。これは犬を飼うこと自体を禁止するものではなく、咬傷事故の防止を目的として飼い方に制限を設けるものです。

現在、日本で特定犬制度を実施しているのは「茨城県」「水戸市」「佐賀県」「札幌市」の4自治体です(令和時点)。これらの地域に住んでいる場合、該当犬種を飼う際は条例上の遵守事項を必ず守る必要があります。

札幌市の特定犬種

札幌市は日本の4自治体の中で最も多くの犬種を特定犬に指定しています。以下の15犬種(+一定基準以上の個体)が対象です。

  • 秋田犬
  • 土佐犬
  • アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(ピットブル含む)
  • グレート・デーン
  • ジャーマン・シェパード・ドッグ
  • スタッフォードシャー・ブル・テリア
  • スパニッシュ・マスティフ
  • セント・バーナード
  • ドーベルマン
  • ドゴ・アルヘンティーノ
  • ナポリタン・マスティフ
  • ブラジリアン・ガード・ドッグ
  • ブル・テリア
  • ブルマスティフ
  • ボクサー・マスティフ・ロットワイラー など

札幌市では特定犬を飼う場合、頑丈な鉄製・金網製の囲いや檻の中で飼育すること、扉に錠をかけること、外から見える場所に「特定犬飼育中」の標識を掲示することなどが義務付けられています。

茨城県・水戸市の特定犬種

茨城県は昭和54年(1979年)に全国で最初に特定犬制度を導入した自治体です。前年に県内で放たれた大型犬が人を噛み死亡させる事故が2件発生したことがきっかけでした。

  • 秋田犬・紀州犬・土佐犬
  • ジャーマンシェパード・ドーベルマン
  • グレートデーン・セントバーナード
  • アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(ピットブル含む)
  • 体高60cm以上かつ体長70cm以上の犬(犬種問わず・雑種も含む)

茨城県では特定犬を「檻(おり)の中」で飼育することが義務づけられています。ただし条例上は「おり」と記載されていても、飼い主の住居内での飼育は可能とのことで、脱走対策をしっかり講じるよう指導している自治体もあります。

佐賀県の特定犬種

佐賀県は平成20年(2008年)に茨城県の条例を参考にして特定犬制度を導入しました。指定されている犬種は以下の10種類です。

  • 土佐犬・秋田犬・紀州犬
  • ジャーマンシェパード・ドーベルマン
  • グレートデーン・セントバーナード
  • アラスカンマラミュート
  • マスチフ
  • アメリカンピットブルテリア

特定犬を飼う場合の条件

特定犬制度が実施されている自治体で該当犬種を飼育する場合、共通して以下のような遵守事項があります。

  • 堅固な檻・囲いの中で飼育すること(鉄・金網製で鍵付き)
  • 住居の出入口など見やすい場所に「特定犬」の標識を貼ること
  • 逸走した場合は速やかに関係機関(自治体・警察など)に通報すること
  • 人や動物に危害を加えた場合は届け出ること

⚠️ 重要:特定犬制度は自治体によって異なります。引っ越しの際や、新たに犬を迎える際は必ずお住まいの自治体の条例をご確認ください。「特定犬=危険」というわけではありませんが、飼い主には一般的な犬以上に高い管理意識と適切な飼育環境が求められます。

ライフスタイル別・飼うのが難しい犬

同じ犬種であっても、飼い主のライフスタイルによって飼いやすさは大きく変わります。ここでは住環境・家族構成・生活パターン別に、特に注意が必要な犬種を解説します。

マンション・アパートには不向きな犬種

集合住宅では「吠え声による騒音問題」と「運動スペースの不足」が最大のネックになります。以下の犬種はマンション・アパートでの飼育には特に向きません。

マンションに不向きな犬種:シベリアンハスキー(遠吠えが大きい・運動量が多い)、秋田犬(大型犬で体臭も強い)、ボーダーコリー(運動・知的刺激の確保が困難)、ビーグル(ハウリングが近隣トラブルに直結)、ラブラドールレトリバー(大型犬で抜け毛も多い)

マンションでの犬の飼育には、管理組合の規約確認はもちろん、「体重〇kg以下」「1世帯〇頭まで」といった細かい制限がある場合もあります。入居前・ペット購入前に必ず規約を確認しましょう。

一人暮らしに向かない犬種

一人暮らしの場合、日中の留守番時間が長くなりがちです。孤独や退屈にストレスを感じやすい犬種は、一人暮らしの環境では問題行動を起こしやすくなります。

一人暮らしに向かない犬種:シベリアンハスキー(寂しさに弱く長時間の留守番が苦手)、ボーダーコリー(刺激不足でメンタルが不安定になりやすい)、ゴールデンレトリバー(家族との時間を好み孤独にストレスを感じやすい)、ジャックラッセルテリア(エネルギーの発散が一人では難しい)

一人暮らしで犬を飼う場合は、比較的一人でいることが苦にならない独立心の高い犬種か、小型でエネルギーが比較的少ない犬種を選ぶことが重要です。また、ペットシッターやドッグランの活用など、ライフスタイルを補う工夫も欠かせません。

共働き家庭に向かない犬種

共働きで毎日8〜10時間以上犬を一人にする環境では、「分離不安」になりやすい犬種や、エネルギーを発散できずに問題行動を起こしやすい犬種は特に難しくなります。

共働き家庭に向かない犬種:ボーダーコリー(知的刺激を与え続ける時間が取れない)、ジャックラッセルテリア(留守中に家中を破壊する可能性大)、ビーグル(留守番中にハウリングして近隣トラブルになりやすい)、シベリアンハスキー(運動・コミュニケーション不足でストレスが溜まりやすい)

共働きでも犬を飼いたい場合は、比較的独立心が強く、一人の時間をマイペースに過ごせる犬種を選ぶか、ドッグシッターや犬の保育園(デイケア)を活用することを前提に検討しましょう。

子どもや高齢者がいる家庭に向かない犬種

小さな子どもや高齢者がいる家庭では、犬の体力・力強さ・警戒心の強さが事故につながるリスクがあります。特に注意が必要なのは以下の点です。

  • 力が強くぶつかると危険な大型犬(ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー・秋田犬):体重30kg以上の犬がジャンプすると、子どもや高齢者は転倒のリスクがある
  • 警戒心が強く他人を噛みやすい犬種(秋田犬・柴犬・ミニチュアピンシャー):来客の多い家庭や、おじいちゃんおばあちゃんが来た際にトラブルになるリスクがある
  • 神経質で突発的な動きに反応しやすい犬種(ジャックラッセルテリア・ポメラニアン):子どもの急な動きに反応して噛み付くことがある

子どもや高齢者がいる家庭では、温厚でフレンドリーな性格の犬種を選ぶことが重要です。ただし、どんな犬種でも子どもへの正しい接し方のしつけ・監督なしでの接触を避けることは必須です。

初心者でも飼いやすいおすすめの犬種

ここまで難しい犬種の話ばかりでしたが、安心してください。初心者でも飼いやすく、長く一緒に幸せに暮らせる犬種はたくさんあります。ポイントは「しつけが入りやすい・運動量が適度・吠えにくい・医療コストが予測しやすい」犬種を選ぶことです。

トイプードル

日本で長年「人気犬種ランキング1位」をキープし続けるトイプードルは、初心者にも比較的飼いやすい犬種の代表格です。

トイプードルのメリット:抜け毛がほとんどない(アレルギー持ちにもおすすめ)、知能が高くしつけが入りやすい、体が小さく室内でも飼いやすい、人懐こく家族全員に懐きやすい

トイプードルの注意点:被毛が伸び続けるため月1〜2回のトリミングが必須(月5,000〜1万円程度)、賢すぎてしつけに一貫性がないと言うことを聞かなくなることがある、分離不安になりやすい個体もいる

コストと手間を承知のうえで迎えれば、愛情深く頭が良く、長年寄り添ってくれる最高のパートナーになります。

キャバリア

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、その穏やかで従順な性格から「最も人間フレンドリーな犬種のひとつ」と呼ばれています。子ども・高齢者・他のペットとも仲良くできる、家族全員に優しい犬種です。

キャバリアのメリット:温厚でしつけが入りやすい、子どもや高齢者がいる家庭にぴったり、エネルギーが適度で無理に激しい運動をさせなくてもよい

キャバリアの注意点:心臓病(僧帽弁疾患)になりやすく、シニア期の医療費が高くなる傾向がある。ペット保険への加入を強く推奨します。

シーズー

おっとりとした性格で、激しい運動を必要としないシーズーは、マンション・一人暮らし・高齢者の方など、さまざまなライフスタイルに対応できる犬種です。気質的に吠えにくく、おとなしい性格の子が多いため、近隣トラブルになりにくいのも魅力です。

シーズーのメリット:比較的おとなしく吠えにくい、運動量が少なめで短い散歩でも満足しやすい、マンションでも飼いやすい、人懐こく温厚

シーズーの注意点:長毛で目・耳のケアが細かく必要。放置すると毛玉・皮膚炎・目の疾患の原因に。定期的なトリミングと日々のブラッシングは必須。

マルチーズ

真っ白な被毛が美しいマルチーズは、2000年以上前から人間のそばで生活してきた古い歴史を持つ犬種です。穏やかで愛情深い性格は「愛玩犬の王様」とも称されます。抜け毛が少なく室内での飼育に向いており、適度な運動で満足してくれます。

マルチーズのメリット:抜け毛が少ない、温厚で愛情深い、適度な運動でOK、アレルギーが少ない家庭にもおすすめ

マルチーズの注意点:白い長毛は汚れが目立ちやすく、毎日のブラッシングが必要。涙やけになりやすいため目の周りのケアも欠かせない。甘やかしすぎると吠え癖・わがままになりやすい。

パピヨンは注意が必要

蝶のような耳が愛らしいパピヨンは、見た目のおとなしさに反して非常に活発でエネルギッシュな犬種です。知能が高くしつけは入りやすい反面、運動量と精神的な刺激が不足すると吠え癖・問題行動につながりやすくなります。

パピヨンは「初心者でも飼える犬種」として紹介されることもありますが、実際には「積極的に運動・知育に取り組める人向け」の犬種です。のんびりした生活を送りたい人や運動が苦手な方には、シーズーやマルチーズのほうが合っている可能性があります。

犬を飼う前に確認すべきチェックポイント

「どの犬種が自分に合っているか」を判断するために、犬を迎える前に以下の4つのポイントを必ず確認してください。

散歩の時間を確保できるか

犬種によって必要な運動量は大きく異なりますが、どんな犬でも毎日の散歩は欠かせません。雨の日も・体調が悪い日も・仕事で疲れた日も、散歩は続きます。「忙しくなったらどうするか」「家族の誰が担当するか」を事前に話し合っておきましょう。

犬種別・1日の必要散歩時間の目安
・シベリアンハスキー・ボーダーコリー:120分以上
・ゴールデンレトリバー・ラブラドール:60〜90分
・ビーグル・ジャックラッセルテリア:60〜90分
・柴犬・秋田犬:60分以上
・トイプードル・マルチーズ・シーズー:30〜45分

毎月の固定費と医療費を払えるか

犬を飼う費用は、迎える際の費用だけではありません。毎月かかるランニングコストをしっかり把握しておく必要があります。

費目小型犬目安大型犬目安
フード代3,000〜6,000円10,000〜20,000円
トリミング代5,000〜15,000円10,000〜25,000円
ペット保険2,000〜5,000円5,000〜10,000円
定期健診・ワクチン年1〜3万円程度年2〜5万円程度
おやつ・用品など2,000〜5,000円5,000〜10,000円

さらに、病気やケガの治療費は突然やってきます。犬にはペット保険が適用できますが、犬種・年齢によって保険料は上がります。シニア期に入ると保険料が倍以上になるケースもあり、「15年間トータルでいくらかかるか」という視点で考えることが重要です。

住環境が犬種に合っているか

マンションか一戸建てか、庭があるか、近所に公園やドッグランがあるかなど、住環境と犬種の相性は非常に重要です。また、マンションであれば「ペット可」の物件かどうか、さらに規約上の制限(犬のサイズ・頭数など)の確認も欠かせません。

引っ越しを予定している場合は、犬を迎える前に転居先のペット規約を確認しましょう。「以前の家ではOKだったのに引っ越し先でNGだった」というケースも実際にあります。

15年先まで責任を持てるか

犬の平均寿命は犬種によって異なりますが、小型犬では12〜16年、大型犬でも10〜12年程度生きます。「今は大丈夫でも、5年後・10年後にライフスタイルが変わっていないか」をしっかり考えることが大切です。

  • 転職・転勤の可能性はないか
  • 結婚・出産などのライフイベントはないか
  • 家族全員が犬を迎えることに同意しているか
  • もし自分が病気・ケガになったとき、犬の世話を代わってくれる人がいるか
  • 老犬になり介護が必要になったときに対応できるか

動物の遺棄は「動物の愛護及び管理に関する法律」により犯罪行為となり、罰則が科せられます。「飼えなくなったら捨てればいい」という考えは絶対に持たないでください。犬は生涯にわたって責任を持って飼い続けることが飼い主の義務です。

「かわいいから」という気持ちだけで迎えるのではなく、「15年間この子の命を守り続けられるか」という覚悟を持って迎えることが、人にとっても犬にとっても幸せな生活の出発点です。

まとめ:犬種の特徴を知れば、幸せに暮らせる

この記事では、初心者が後悔しやすい「飼ってはいけない犬ランキングTOP10」から、日本の特定犬種制度、ライフスタイル別の相性、おすすめ犬種まで幅広く解説しました。

最後にもう一度強調しておきたいのは、「飼ってはいけない犬種は存在しない」ということです。シベリアンハスキーも、ボーダーコリーも、秋田犬も、その子の本来の性格・歴史・必要な環境を理解したうえで、愛情と適切なケアを注げれば、かけがえのないパートナーになります。

今回紹介したランキングはあくまで「一般的な初心者のライフスタイルとのミスマッチが起きやすい犬種」という意味であり、その犬種の優劣を判断するものではありません。

🐾 犬を迎える前の最終チェックリスト
✅ 毎日の散歩時間を確保できる
✅ 毎月の固定費(フード・トリミング・保険)を払い続けられる
✅ 住環境がその犬種に合っている(マンション可・スペースなど)
✅ 家族全員が迎えることに同意している
✅ 15年先まで責任を持って飼い続ける覚悟がある
✅ 犬種の特性・必要な運動量・しつけ方を事前に勉強した

犬との暮らしは、人生を豊かにしてくれる素晴らしい経験です。ぜひ、あなたと犬の両方にとって最高の選択をしてください。この記事が、後悔のない犬選びの一助になれれば幸いです。

犬種選びに迷ったら、ペットショップやブリーダーだけでなく、動物病院の獣医師やドッグトレーナーに相談することもおすすめです。プロの視点から、あなたのライフスタイルに合った犬種を提案してもらえることがあります。

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